ぴちゃ……ちゅっ、くちゃ……ちゅるっ…………
薄暗い路地。ビルとビルの隙間の細い空間の間に、湿った水音が響く。
何かがぶちまけられたように汚れた壁と、吐瀉物とおぼしき腐った水溜りのあるアスファルトと、ビルに区切られた四角い 空に囲まれた空間は、その隙間からのぞく光の中に二つの影を作り出す。
男と女だ。
ちゅっ……くちゅ――はぁ……ちゅ……はぁ……
何かを舐め、しゃぶるような音の合間に、女の吐息が響く。
浮かび上がる影は、壁を背に立つ男と、その前に跪く女のもの。女はしきりに首を動かし、何かを――否、男の股間を舐 め、くわえ、しゃぶる。
それは街中の――しかも昼間の――光景としてはあまりに不自然であり、しかし同時にこの腐敗し、退廃した空間に非常 によく似合っていた。
ちゅるっ、ぴちゃっ……
「うっ……あぁ……」
男が、たまりかねたように声を漏らす。髪を茶に染めた、いかにも軽薄そうな若者。
しかし、悦楽に呆けたその顔は、女なら誰もが振り向くだろう、整い、美しい顔立ちをしている。否、顔だけではない。若者 の服装、身につけているアクセサリー……どれもが洗練され、金がかかっているのが分かる。
「くっ――も、もう……!」
男が、女の頭を押さえる。
男と対照的に、女の格好はみすぼらしい。
元の色すら分からぬほどに汚れたワンピース様の服。身を飾る物は一つもなく、顔に化粧っけなど欠片もない。職にあぶ れたフリーターか、乞食か、それともこのような行為をしているからには貧民街の娼婦か。なんにせよ、今の日本では珍し いものではない。特に東京――2100年を過ぎた今でも日本の首都だ――と言う名の、この街では。
しかし、女をしてただ一つ、他の誰とも違う点があった。
「ちゅっ――ぷはっ……ん、ふふっ、どう? あたしのテク」
今の今までふけっていた淫らな行為のせいか、それとも単に呼吸が楽に出来なかったせいなのか、上気し紅く染まった女 の横顔は、はっとするほどに美しかった。
女性を美しく見せるためのあらゆるもの……服も、装飾品も、化粧も、彼女の美しさの前では不必要……それどころか、 彼女本来の美しさを隠してしまうものでしかない。
身に着けた服の上からでも分かる、均整の取れた美しい肢体。手入れもろくにしてないはずなのに、薄絹のようにさらさら と流れる長い黒髪。服の裾からのぞく、初雪のような白い肌。
なぜこのような所にいるのか。
なぜこんな格好をしているのか。
そう疑問を抱かずにはいられない、そんな女だ。
「あ、あぁ、すごい……すごすぎる」
男が、顔に似合わず下卑た笑みを浮かべる。一目で品性の無い人間だと知れるような笑み。いかに造形の整った顔も、 内面の醜さを隠すことはできないらしい。
しかし、女はそんな男に対し優しい、しかしぞくぞくするような蠱惑的な眼差しを見せる。
「ふふっ、あたしを買ってくれたら、最後までさせてあげるけど……?」
「あ、あぁ、当然、やらせてくれよ。いくらだ?」
「これでどう?」
女は、五指を伸ばし、手を広げる。
「五万か……まぁ、お前の顔と今のテクなら、高くは無いか……」
「嬉しい。でも、ちゃんとお金有るの?」
「当たり前だろ」
「証拠見せて」
女が立ち上がりながら、その左手で男の股間をやわらかく握る。その感触に笑みを浮かべながら、男はズボンのポケット をまさぐる。
出てきたのは、若者に不似合いなほどの、一目で高価な品と知れるような財布。
男は、わざとみせびらかす様に財布を開き、中から札を3枚抜き取る。ちらりと見えた中身は、どうやら全て高額紙幣のよ うだ。
瞬間、女の顔から今までの表情が消えうせ、まるで獲物を狩る肉食獣のような冷たい眼差しが目線の動きだけをもって 男の財布の中身を確認する。
男は、札を抜き取ることと、押し付けられる女の体と匂い、なにより自身を包み込む女の左手に気を取られ、気づかな い。男が顔を上げたとき、女の顔には元の娼婦の表情が戻っていた。
「ほら、前払いってことで」
「ありがとう」
男が渡した札束を、女は優雅な手つきで受け取り、服の内側の隠しポケットへとしまう。さりげなく、指先で紙の感触を、薄 明かりの中で透かしを確かめてからだが。
「じゃあ、早速……!」
「あ、やだ……あせらないで……」
鼻息も荒く腰に手を回す男を、女が軽くいなす。
「この奥の方に、こぎれいなホテルが有るの。こんな場所じゃなくて、できればそこに行きたいなぁ」
耳元で甘くささやく。これだけの美女に、体を密着されながら甘えられて、いったいどれだけの男が抵抗できるだろう?
悲しいかな、彼は抵抗できないタイプの男だった。
「い、いいぜ、連れてってやるよ」
女の腰に手を回すことを忘れずに、男は歩き出す。女は男に体を預け、二人は路地を奥へと入っていく。
”腐都”東京と呼ばれる街の、闇の領域へと……
*
「へぇ……いい部屋じゃないか」
ロビーで受付を済ませ、部屋に入った男の第一声はこれだった。
ホテルと言っても、いわゆるラブホテルだ。それも、貧民街の。
女の頼みだからわざわざ来たのだ。はっきり言って期待などしていなかったから、男はその部屋の意外な清潔さにむしろ 驚いていた。
やわらかいじゅうたん、カーテンや棚などの調度品もちゃんと整っているし、丁寧に手入れがされた真っ白な壁も、この部 屋の主たるベッドを覆う白いシーツも、自身の清潔さをアピールすることに余念が無い。
「先に、シャワー浴びてくれない? なんだか、体がほてっちゃって……少し落ち着きたいの」
「あ、あぁ……」
部屋の意外さに少なからず驚いていた男は、女の言葉にさしたる疑問もはさまずに浴室へと消える。あるいは、清潔なこ のホテルへの好奇心も手伝っていたのかもしれない。
無理も無い。彼の知識の中には、貧民街のラブホテルと言えば薄暗い、汚れた部屋しか無いのだろう。
彼の無知を責める事は出来ない。彼のような人間にとって、そのような認識はごくごく当たり前のものだからだ。
ぱたん……という扉の音と、シャワーが浴室の床をたたく音が響く。
浴室へと消える男を見守っていた女の顔から微笑が消え、代わりに冷たく鋭利な……刃物と形容できるような表情が浮 かぶ。
その変わりようは、単に女の微笑はこの表情を隠すために貼り付けられていたものだと、そう理解させるに十分な雰囲気 を持っていた。
「ふぅ……扱いやすい男で助かるわ」
ゆらりと立ち上がった女は、脱衣所から浴室の中を確かめると男の脱いだものを探り出す。
取り出したのは、ズボンのポケットに入っていた財布。それだけを抜き取ると、女はいそいそとベッドへと戻り、財布を開 ける。
「現金に、カード……免許証も有るわね。これは……どこかのクラブの会員証かしら? いらないわね」
次々と財布の中身を外に出していく女。
現金は一万円札が7枚。クレジットカード2枚に、免許証――これは偽造屋にもっていくと意外といい金になる――などな ど……金目のものだけを選んで抜き取っていく様子は、手馴れていてそつが無い。
「まぁまぁの収穫ね……出てくる前に、おさらばしましょうか」
と、女が立ち上がった瞬間だった。
浴室の扉が開く音が響き、男が腰にタオル一枚を巻いて出てくる。
「ははは、待ちきれなくて急いで出てきちゃったよ」
どこかおやじくさい、下品な笑いを吐き出しながら出てきた男と、今まさに立ち上がった女の視線がぶつかる。
男は女の手に握られているものを見、次にベッドの上の財布を見、最後に女の顔を見る。
「てめぇ……何してやがる?」
「見て分からない?」
あっさりとした女の返答に、男の顔に怒気が浮かぶ。
「このアマァ……!」
何をされようとしていたか、分かるぐらいの頭は持ち合わせているのか、男はこぶしを握りながら女へと近づく。
さして鍛えているようには見えないが、それでも男と女だ。暴力の応酬になれば、どちらが有利かは想像するまでも無い。
しかし、女はゆるやかな、余裕ともいえる動きでスカートの裾を持ち上げ、下から何かを引き出す。
「……さっさと出てこなければ、泣きっ面見るぐらいで済んだのにね」
男が女の言葉に疑問を持つより早く、女の手に握られた『それ』が男の額を狙う。
「なっ……!」
男が驚愕に顔を凍りつかせ、自分を狙う銃口を見たときには、すでに遅かった。
轟音。
女の手に握られた黒光りする拳銃が火と音と硝煙の香りを吐き出すと同時、男の頭部が割れはぜ、中身がぶちまけられ る。
血の赤と脳漿の白。それらが白い壁に、おかれた調度品に、まだらな模様を描く。
力が抜け、糸の切れた人形のように崩れ落ちる男の体を見下ろして、女は冷静に今まさに一人の人間を殺した凶器を元 の場所に戻す。女の顔には、人を殺したことへの罪悪感も、死体に対する嫌悪感も無い。
「無駄な出費ができたわ」
女はただそれだけつぶやくと、手にした万札の中から一枚抜き出し、男の体の上に放り投げる。
これでいい。
これだけでいい。
これだけで――この街では死体が片付く。
いかにラブホテルだけに防音とはいえ、拳銃の音を完全に防ぐことは出来ない。ホテルの従業員は、必ず気づくだろう。 だが、心配することなど何も無い。
ここでは人が死ぬことなど、ごく普通のことなのだから。
日常的に起こる、当たり前のことなのだから。
警察も、下手に首を突っ込もうとはしない。首を突っ込んだところで取り締まれるものではないし、下手をすれば警官自身 がこの死体と同じモノになってしまうのだから。
ただ、筋だけは通さないと、ホテル側も容赦してくれない。ただで死体を置いていけば、明日にはホテルとつながっている どこかのマフィアが女を殺しに来るだろう――女がこの男に対してしようとしていた事と同じ目的を持って。
女は、手早く金をポケットにしまい、部屋を出る。
死体は、ホテル側が始末してくれる。あそこにおいてきた金は、半分はホテルのものとなり、半分は死体を取りにきた『ば らし屋』のものになる。
死体はどこかの闇市へと流れ、内臓も、骨も、筋肉も、皮膚も、髪も、すべてが売り払われる。化粧品会社や医薬品会社 に流れるものもあれば、腹をすかせた誰かの食料になることもあるが、いかなる結末が待っていようと結果は同じ。
死体は消え、二度と見つからない。
*
女がクレジットカードや免許証を闇商人に売り払い、金を手にした頃には、日はすでに沈みあたりは夜闇に染まってい た。
今日の収入は、しめて14万円。思ったより、いい金になった。
「今日はちょっと豪勢な夕食でも作ってあげようかな……」
女はかすかな微笑を浮かべて汚れた町を歩く。その笑みは、数時間前に男に見せていたような貼り付けたような笑みで はなく……誰か大切な人間を思い出しているような、温かい笑みだ。
女は足早に歩きながら考える。もう秋も深まってきて、もうすぐ冬だ。去年まで来ていたコートはさすがにぼろぼろになって しまい、もう着られない。新しい物を買わねばならないが、無駄な出費は抑えたいというのが正直なところだ。
「まぁ、どこかから盗ってくれば良いか」
つぶやき、女は周囲にちらりと目を走らせる。
道端にうずくまる、ぼろを着た人間。
男もいれば、女もいる。青年もいれば、子供もいる。
雑多で統一性の無い人間の群れ。しかし、そんな彼らにも共通点が有る。
ぼろの上からでも分かる、がりがりに痩せた体。
落ち窪んだ目。ぎらぎらとした瞳。
食べるものも、金を得る手段も無い――100年程前にはニートと呼ばれ社会現象にまでなっていた――彼らは、そうして やせ衰えていくしか出来ることは無い。
ところどころ、横になったり壁に寄りかかったりして動かないのは、寝ているのか、さもなければ死んでいるかだ。
(ああいうのから奪うのは簡単だけど……)
女は思う。
(ううん、もっとちゃんとしたの買いたいし……でも、お金がなぁ)
彼女も女だ。人並みにいい服を着たい願望はある。
もっとも、願望はあってもそれをかなえるのはなかなかの決断を要する。
当然だ。服一着の金で、一月の食費がまかなえると思えば、慎重にもなる。
21世紀初頭から始まった政府の強硬政策は、日本に激烈な変化を強いた。
郵政を皮切りとした、各種政府事業の民営化。
消費税をはじめとした数多くの増税。
医療費負担の増額。年金の廃止。憲法改正による徴兵制の復活。
デフレは止まらず、失業者が増大し、フリーターやニートと呼ばれる人間が増加した。
難民受け入れ政策で、安い賃金で働く外国人労働者が正社員として企業に雇われ、さらに多数の失業者を生み出した。
国民総中流と呼ばれた時代はとうに過ぎ去り、日本の賃金による社会格差、社会の二分化が一気に進行し始めたところ で、首都圏を大地震が襲った。
それが、とどめだった。
日本の政治・経済は完全に麻痺し、暗黒の時代を迎えることになる。
それが、21世紀も半ばを過ぎた頃。
女は、薄汚れた町並みを抜け、路地を通り、表通りを目指して歩いていく。
豪勢な夕食……そう、たまには貧民街で売られている食用ネズミなどではなく、もっとちゃんとした肉を買おう。それに、少 しばかりの野菜と、あの子の好きな玉子焼きをつければ文句なしだ。
暗い路地を歩く女の先に、まばゆいばかりの光が見える。
まぶしさに目を細めながら、女は路地を抜けた。
転んでもただでは起きないのが日本人の素質か。
すでに150年も昔の出来事となった戦後の復興、高度経済成長もかくやという速度で、日本はその経済を立て直してい った。
その内側に、巨大な闇とひずみを抱えて。
ビルの谷間を抜け、女は通りに出る。
そこは、今までとは全く違う世界。
ネオンが輝き、人口の明かりが夜闇を駆逐し、こぎれいな格好をした人間が大勢行きかっている。
かつて――21世紀初頭に都会と呼ばれた、先進国としての日本を象徴する夜の景色が、そこにはあった。
すさまじいまでの日本の経済復興。
しかし、それは多大な犠牲を払って、ようやく成り立つものだった。
近代史上類を見ないほどの失業率。国民の実に9割が職を失い、一部の人間だけが正社員として働いていた。
9割の内、フリーターとして職に就けた者は約半分。
それでも、「日本の経済発展のため」「企業の国際競争力をつける」といった美辞麗句によって、当然起こるべき反抗は 見られなかった。
一気に、日本の経済格差は拡大していった。
国民は、9割の貧乏人と1割の金持ちに分かれ、その1割が日本の9割の金を持っている……そんな時代が来たのだ。
収入が有るなど、まだ良い方。貧困層の平均収入は月3万円を下回った。
多数の餓死者が出たが、ニュースになったのは初めの頃だけで、あっという間に当たり前のことに変わった。
爆発的に犯罪が増えたが、ニュースになったのは初めの頃だけで、あっという間に当たり前のことに変わった。
年数十万におよぶ自殺者が出たが、ニュースになったのは初めの頃だけで、あっという間に当たり前のことに変わった。
貧困層の平均寿命が40を切っても、普通の食事ではなく安価なネズミやゴキブリを食用とするようになっても、衛生状態 の悪化からコレラが流行しても……ニュースになったのは初めの頃だけで、全てあっという間に当たり前のことに変わっ た。
その中で、富める者はますます富み、日本政府はその事だけを世界に喧伝した。
日本は、世界に名だたる経済大国である……と。
裕福な人間の平均年収は1500万。対して、貧困層の平均年収は50万に届かない。
女はネオンに照らされた街の中を歩く。
横目に眺めるショーウィンドーには、洒落た服やバッグ、靴や装飾品が並び、おいしそうな匂いを振りまく飲食店が軒を連 ねる。
身なりのいいカップルが楽しげに笑いあい、家路を急いでいるのだろうか、中年の男がいそいそと足を運ぶ。幼子を抱い た母親がわが子をあやしながら歩く隣を、夫が両手に荷物を抱えて微笑みながら歩く。
どこまでも平和で、どこまでも幸せで、100年前には当たり前で、今は一部の人間しか得られない風景。
女は歩く。
誰も、女を振り返らない。
それもそのはず。先ほどまで絶世の美女だった女は、もう絶世の美女ではない。
道行く人の……誰もが皆、女と同じように、美しかったからだ。
あれほどまでに美しかった女も、その中に入ってしまえばどこにでもいる無個性な一人に過ぎない。
21世紀も8割がた過ぎた頃、多くの議論と宗教的論争の果てに、一つの技術が実用化された。
デザイナーベイビー。
生まれる前に遺伝子の異常を見つけ、遺伝子疾病を防ぐ一方で、容姿や頭脳、体格など、よりよい物を選抜する。
この技術の広まりは、美男美女を大量に生み出した。否、美男美女しか生み出さなくなった。誰もが、生まれる前からデ ザインされるようになった。
もちろん、それが出来たのも裕福な人間だけ。
日々の暮らしさえままならない人間に、そんな技術を望む事などできはしない。
裕福な人間は、その容姿においても貧乏な人間と格差を作っていった。
女は歩く。
そのみすぼらしい格好も、身なりを整えた人々の中では目立ちそうだが、しかし誰も気に留めない。
他人を気に留める人間など、この日本にはとうにいないのだ。
そんな思考に没頭していた女は、ふと足を止める。
なんとなく、見上げたネオンの輝き。文明の象徴、高度経済発展の証。
「ふふっ……」
思わず、笑みがこぼれる。
今、この街を上空から見る人間がいたら、どんな感想を抱くだろう?
ひどく……ひどく滑稽だと、思うのではないか。女には、そう思えて仕方が無い。
メインストリートと、それに交差する幹線道路だけが明かりを放ち、その周りに何も明かりが無い町並みが広がっている。
ネオンきらめく美しい町並み。そこからビル一つ抜ければ、そこはもう死臭と腐泥に満ちた貧民街だ。
豊かな日本など、ベニヤに書かれた安っぽい書き割りに過ぎない。
広大な貧民街と、その中にある裕福で小さな町並み。それはまるで、神話に有るような、周囲の命を吸って成長する悪魔 の木のようで……
そこまで考えて、女は頭を振って思考を中断する。考えたところで、意味の無いことだ。この状態を変えることなど出来な いし、そんなことを考えるぐらいなら明日の糧を得る方法を考えたほうがよほど建設的だ。
それに……
「あたしは……大切な物が有るもの」
そのつぶやきを虚空に放ち。
女――成瀬 春香(なるせ はるか)は、光あふれる街の中を再び歩き出す。
心に、自身の信念を唱えて。
あの子を守るためなら、あたしはなんでもしてみせる、と――
|