恋愛作品にエロは必要か?
世に『恋愛』をテーマとして扱った作品は数多い。いや、多いなどというレベルではあるまい。時代の新旧、洋の東西を問 わず、恋愛作品というものは存在する。
それだけ『愛』という物が人類にとって普遍にして不変な命題だったということだろう。

今回は、『恋愛』を扱った最近のゲームに焦点を当て、いわゆる『エロ描写』が恋愛ゲームを語る上で必要かどうか、それ を考えてみたい。


まず、『恋愛』を扱った作品、というものはどういった物なのか。これは、難しく考えずストーリー中で主人公とヒロイン(もしく は女主人公と男)が恋愛関係になり、その過程を少なからず描く作品を指すとしよう。ただし、成人向けのゲーム(いわゆる エロゲー)は、今回は除外する。エロゲーにエロ描写があるのは当たり前のことであり、そもそも『エロがある』から『エロゲ ー』と呼ぶのである。
今回対象としたいのは、『恋愛を扱いつつもエロゲーでない作品』である。この作品内で、果たしてエロ描写が必要かどう か考えたい。

次に、何を持ってエロ描写とするのか。もちろん、そのものズバリなシーンを作ってしまえば、年齢制限がかかってエロゲー になってしまう。つまり、露骨な表現はせずに『あ、コレはしたな』と思わせれば、それで十分なのである。

言い方を変えてみよう。
今回私が話題としたいのは、つまり以下のようなことである。
『恋愛を扱った作品内において、主人公の男女が肉体的な関係を持ったことを直接的、あるいは遠まわしに表現する必要 があるのか否か』、


だが、こうは言ってもコレばかりは人によって大きく意見が異なるだろう。そもそも、このような問題はゲーム上必要か否か、 と問うたところで、所詮ゲーム制作の話だけで語れるような内容ではない。個々人の持つ倫理観や価値観が大きく関わっ てくるのは自明の理であるし、物語のテーマ・コンセプトなども関係してくる。

だから、ここではあくまで『私個人の意見』を述べるに留めておこうと思う。


私の意見としては、『絶対必要ではないけどあった方がいい』である。
あってもなくても良い、ではなく、あった方が良い、である。
なぜこのように考えるのかというと、肉体的、性的な関わり合いという物が恋愛という物と切り離せない、と考えているからだ。
あまりうまく描写できなかったが、『UPRISING完全版』の例のシーンも(分からない人はDLして遊んでください)、この考えの 基に作成した。

露骨に言う。恋愛関係になった男女がセックスをするのは、当然のことだと私は考えている。生殖のため、気持ち良いか ら、スキンシップの延長、理由などいくらでもあるだろうが、そのような行為を行うことはなんら不自然なことではない。
だが、現実の世界に片っ端からこの考えを当てはめるのは、あまりに乱暴ではある。肉体関係なしに恋愛する男女は当然 存在するし、恋愛抜きで、その他の理由の元で肉体関係を結ぶ男女もいる。

しかし、私達が作っている『ゲーム』とは、架空の存在である。ファンタジーはもちろん、現代日本を舞台にした作品でさ え、その本質は『架空』、作られたものである。
だからこそ、現実とは切り離された物だからこそ、積極的に描写するべきではないか。
そう思うのである。

もちろん、そのような描写を用いずとも恋愛を扱った良作は存在するし、肉体関係なしの恋愛描写があっても一向に不自 然なことはない。
だから、『絶対必要ではないけど』『あった方がいい』のである。


だが、だからといって単に否定されてしまっては、私がここまで書いたことは根こそぎ無意味になってしまう。
だから、最後にあくまで『作品の表現技法のひとつ』として、エロ描写を扱ってはどうか、という事を書いてみる。
『セックス』という表現を恋愛を描く上での表現の一つと捉えるのである。

恋愛を扱っていれば、ほぼ間違いなく抱き合ったりキスをしたり、という表現は登場する。
それと同列に、扱うのである。恋愛を表現するのに使える道具を増やす、という事だ。
もっとも、果たして性交渉とキスや抱擁を同レベルとして扱って良いのかという倫理的な問題は残る。


もうひとつ、あまりやらない事だが、『子供を作る』という事で使う。
コレを聞いて、ゲーム歴の長い人ならひとつの作品を思い出すはずだ。そう、『ドラゴンクエストX(エニックス)』だ。
あのゲーム、今でもはっきりと印象に残っている。主人公とヒロインが作品途中で結婚し、子供ができる……のだが、私は あれを見た時、こう思った。
『お前ら、いつの間に(子供を)作ったんだ……?』。
そんなシーン、一箇所も出てこなかった。結婚したんだからある意味当然……と言ってしまえばそれまでだが、何の描写も 無いことに一抹の疑問を感じたことは覚えている。



私達が作るのは(フリーウェア、シェアウェア問わず)あくまで個人、もしくは小規模な集団(サークル)で作るゲームである。 さわりだけ書いて後はプレイヤーの想像に任せようと、年齢制限をかけてキッチリ作ろうと、それは(常識の範囲内なら)自 由である。
だから、いわゆる大手ならできない事でも、ある程度ならできる。有名作品、大作の劣化複製に止まりたくないと思うなら、こ のような描写を行うのも選択肢の一つと考えてみてはいかがだろうか? 



というわけで、4つ目のコラムをお送りしました。すげー久しぶりに書いたなぁ……(汗
またぶっ飛んだ内容のコラムでしたが、最後まで読んでくれてありがとうございました。
こういう問題は自分の中に意見を持っていることが大切だと考えていますので、文章としてのレベルは高くありませんが公 開することにいたしました。

次は(多分)まじめな内容です。

ハムスターズ ’04,4月
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