さぁ、線画修正だっ!
ハム 「さて、いよいよデジタルをはじめよう」
フィル「ようやく本番って感じね」
ハム 「うむ。まずは、環境についてから行ってみようか」
フィル「環境問題について? 近年の地球温暖化は――」
ハム 「無視して先に進むぞ」

ハム 「とりあえず、これが俺のやっている環境。俺の経験から言わせてもらうと、レイヤー(右上)とナビゲータ(左下)は必 須」
フィル「レイヤーは分かるとして……ナビゲータって?」
ハム 「見れば分かるが、縮小画像を表示しているな? で、そこに赤い四角が書き込まれている。これが、今表示されて いる領域を表したものだ。ナビゲータとは、画像の全体像と今自分がどこを見ているか、どの範囲が表示されているか、画 像の拡大率はどれくらいなのか、と言ったことを把握するためのツールだ。さらに、ナビゲータによって表示位置や拡大率 を操作できる。いちいち画像横のスクロールバーや虫眼鏡ツールなんか使ってたら手間がかかって仕方ないだろ?」
フィル「ふむふむ」
ハム 「それに、ヒストリーやアクションもあると便利だ。そして、もう一つ、色見本。これは、初めから設定されている色を使 える。もっとも、こればかり使っていると同じ色ばかり使うことになるが……ただ、便利だし、色を選ぶ時の基準にもなるか ら、あってもいいと思う。そして、色見本は自分で設定した色を保存しておくこともできるから、たとえば肌の色とかを作って 保存しておくと、それ以降手軽に同じ色を使うことができる」
フィル「他のは使わないの? チャンネルとか、カラーとか……」
ハム 「うん、パスツールを使った時にパスのウィンドウは使うけど、後は俺はあんまり使わないな。
それから、一番大切なこと」
フィル「何?」
ハム 「保存はこまめにすること。フォトショップはワードとかと違って自動保存の機能がついてない。データが吹っ飛んだ ら、前回保存したところまで逆戻りだ」
実際の処理に入ってみよう!
ハム 「とりあえず環境を整えたら、いよいよイラストに入ろう。今、画像はグレースケール、600dpiになっているはずだ。初 めは、この状態で作業する」
フィル「ねぇねぇ、これ、後で色をつけるんでしょ?」
ハム 「あぁ」
フィル「じゃあ、初めから色つけてもいいんじゃない?」
ハム 「いや。初めは線画の修正だから、グレースケールで十分。無理にカラーにする必要は無い。で、カラーにすると絵 の容量が激増する。600dpiなんて高解像度だと、なおさら。今、上の画像の大きさは32メガぐらいだけど、ためしにRGB カラーにしてみると、何もしてないのに97メガまで増える」
フィル「うわ、ホントだ」
ハム 「な、無駄だろ? 容量が大きいと処理に時間がかかるようになるから、できるだけそういう事はしないほうがいい」
フィル「なるほど」
ハム 「で、まずは画像をクリーンナップする。上の画像、全体的に灰色だろ? それだと、後々汚いし、線画抽出の時と かに面倒だから、これを綺麗にする作業が、一番最初にやるべきことだ。『明るさ・コントラスト』でやる方法と、『トーンカー ブ』でやる方法、二種類がある。今回は『トーンカーブ』でやってみよう。
イメージ>色調補正>トーンカーブを選択して、こんな感じに設定する」

ハム 「横の列で示したそれぞれの明るさにある点を、縦の列で示した明るさに変換する。こんな感じにS字に設定すると、 白やそれに近い灰色の部分は完全な白になり、元から濃かった部分はさらに濃くなる。明るさ・コントラストで、画像の輝度 を上げて灰色の部分を白くして、コントラストで黒い部分を濃くするのと、考え方は同じだ。ただ、こちらのほうがちょっと難し い。代わりに、結構自由が利く」
フィル「こうすると、どうなるの?」
ハム 「文字通り、完全な線画にできる。取り込んだ画像って、どうしても汚いのよ。で、本来白いはずの部分も汚れとかで 薄く灰色になってるから、それを綺麗な白に変えてやる必要がある。これを怠ると、線画修正した時にどうしても変になる し、出来栄えも悪い。
ちなみに、明るさ・コントラストでやる時は、明るさとコントラスト、両方とも+の数値にしてやればいい。気持ち、コン トラストの方を大きくしてやった方が綺麗になるような気がする。数値は、その時の気分や絵のイメージ、線画の綺麗さ状態 とか色々考えるけど、俺は40程度でやるのが普通だ。もっとも、特に決まりは無いだろうから、自由にやって構わない。た だ、やりすぎると線が痩せちゃうからそれだけは気をつけて。
もちろん、両方やってもいいし、他にもいくつかやり方があるらしい。色々研究してみるといいかもしれないな。
この処理を行ったら、いよいよペンツールを使って直接線画を修正していく。タブレットが真価を発揮する時だ」
ハム 「まずは、ブラシを選択しよう。次に、パレット部分にある初期化ボタンを押す。左下の小さなマークだ。これをクリック すると、描画色が黒(#000000)に、背景色が白(#FFFFFF)になる。描画色と背景色の右上にある両矢印マークを押すと、 この二つを入れ替えられるぞ。キーボードの入力モードを英字にして、Xのキーを押しても、同じ事ができる。フォトショップ は、こういうショートカットキーが初めから登録されている。たとえば、Bを押すとブラシ、Eを押すと消しゴム、Jがエアブラシ、 みたいな感じでな。色々やってみると便利だ」

フィル「じゃあ、キーボードのXで描画色の黒と背景色の白を入れ替えながら描いていけば、楽にできるね」
ハム 「そういうことだ。パソコンの隣に原画を置いて、イメージや細部を見ながら直していこう。地道に根気よくやっていく作 業だな。
フリーハンドでは難しい部分、髪の毛や、直線部分などは、パスやラインツールを駆使して描き直す」
ハム 「パスやラインツールを使った修正、一度そのパーツを全て描き直すなど広範囲に わたる修正は、別のレイヤーを使って描き直したほうが簡単だ。失敗しても周りに影響を 与えずに修正できるし、修正した後で、修正前の線を消すのも容易だ(つまり、同レイヤ ーで描くと線が重なってしまい、前の線の部分を消すのが困難。それを回避できる、とい う事)。
ちなみに、今回は説明用にきちんとレイヤー名を入れてるが、別に分かるなら入れる必要 は無い」
ハム 「パスで線画を書く方法は大まかに分けて2種類。ひとつめは、このようにパスで囲って線にする方法。線を引く、というよりは線の形をした細い選択範囲を作る、と言った方が感
覚としては正しいかな。パスを使えば、自由に、滑らかな線で選択範囲が作れる」
フィル「線画の修正以外にも使えそうだね」
ハム 「もちろん。この技術は基本中の基本。使えたほうがいい。
この方法で線画を修正するメリットは、まず線の太さが単調にならないと言うこと。線に強弱 をつけることができる。ちょっと難しいけどね。もう一つは、髪の毛の先端とか、とがった部分 を綺麗に作れる。前髪は、けっこうこの方法でやるかな。
で、下の絵のように修正していく。今回は、分かりやすいように修正箇所の色を変えている ぞ」

ハム 「もう一つは、パスで囲むのではなく、パスを曲線の形に引いて『パスの境界線を描く』を使う方法。これは、視覚的にも分かりやすいし、簡単なんだが、線の太 さが一様になってしまう、という欠点がある。たくさん使うと短調になりがち。ちなみ に、ブラシを選択した状態で境界線を描くと、ブラシの太さに対応して引かれる境界 線の太さも変わる。気持ち細めにしたほうが、イメージしたとおりの線を引けるみたい だな。
で、下のは線を引いた後のもの。あと、線の先が丸くなるから、消しゴムで 消してそれらしくするのも忘れずに」

ハム 「さて、修正のやり方は大体わかったか?」
フィル「うん。つまり、汚れを取ること、線を描き直すこと、この二つをやるわけね」
ハム 「そういうことだ。で、修正後が下の画像。修正前と見比べてみてくれ。
修正前
修正後
ハム 「ついでに、背景として取り込んだ髪の毛と羽の画像も修正してしまおう。やり方は同じだ」
フィル「いよいよ、これから色をつけていくのね!」
ハム 「そうだ。まずは解像度を落とそう。レイヤーを統合して、600dpiから350dpiにする。特に決まりみたいなのは無いみ たいなんだけど、不思議とみんなこの解像度で作業する。解像度を変更する時は、バイキュービック法かバイリニア法を使 う。普通はバイキュービック法だけど、低解像度の画像を作る場合はバイリニア法を使うこともあるらしい。今回はバイリニ ア法でやってみることにする」
フィル「うんうん、その次は?」
ハム 「画像モードをフルカラーにしよう。イメージ>モード>RGBカラーだ。他のモードでも絵は描けないことは無いけ ど、RGBカラーが一番わかりやすくてやりやすい。その次は、線画の抽出だ。
今、線画の画像は背景に存在するな? この線画の部分を一番上のレイヤーに持ってきたい。けど、背景はその ままじゃ動かせないんだ。どうすればいいと思う?」
フィル「う〜ん、背景をコピーする?」
ハム 「惜しい。それだと、『線画だけ』を取り出したことにはならない。背景のはずの白い部分が一緒にくっついてきちゃう から、下のレイヤーが全部見えなくなってしまう。線画以外の部分(つまり白い部分)を透明色に置き換えてやりたいんだ。 もっとも、お前のいったやり方でも線画レイヤーを乗算モードにすれば、きちんとやることはできるけどな。
で、線画抽出の方法だけど、これは本当に様々ある。人によって違う、と言ってもいいぐらい。ベクターなんかで探 せば、線画抽出のアクションなんてのもある。とりあえず、俺がやっている方法を紹介しよう(と言っても、俺も人から学んだ ものだけど)。
まず、チャンネルというウィンドウを開く。デフォルトだと、レイヤーウィンドウの隣だ。そこに、RGB、レッド、ブル ー、グリーンという4つのパネル(?)があるはずだ。それが無くてグレーとなっていたら、まだRGBカラーになってないぞ。 その中から、RGBを選択して(こうすると、チャンネル全部が見える状態になる)、ウィンドウの下にあるボタンから、チャン ネルを選択範囲として読み込む、を選ぶ。
そうすると、白い部分が選択されるから、選択範囲>選択範囲を反転を選ぶ。そして、コピー&ペースト。切り取り にはしないほうがいい。コピーだと、自動的に位置を修正してくれるから、下のレイヤーの絵(コピー元)ときちんと重なった 状態でペーストしてくれる。
で、ちゃんと線画ができていることを確認したら、背景は適当な色で塗りつぶしてしまおう」

フィル「ふぅ、とりあえず、ここで一区切りかな?」
ハム 「そうだな。ここからは、色を使って塗っていく作業だ。ここからが、CGの腕の見せ所だぞ」
フィル「ハムちゃんはあんまり上手くないけどね」
ハム 「これでも昔に比べれば上手くなったぞ。始めて2年ちょいじゃ、まだまだ初心者さ」
フィル「うふふ、そうかしら? では、次回に続く〜」
ハム 「続く〜」
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