他の人の絵から学ぶのだ!

まずはトレースするのだ!

ハム 「まずはトレーシングペーパーを用意しよう。トレス台(ライトボックス)があればそれでもいい。それと、好きな漫画なり イラストなり」

フィル「……はい。用意したよ」

ハム 「そうしたら、漫画なら好きなコマを選んで、トレーシングペーパーを当てて写すんだ。
     このとき、大切なこと。きれいに写そうと思う必要は全く無い。それよりも、線の引き方、輪郭の取り方、どういう風に 描いていけばいいのか、というのをしっかりと考えながら描いていくことが重要だ。最初は難しいんだが、意識の焦点という か、集中するする点を当てているトレーシングペーパー(白紙)に合わせて描くと、勉強になる」

フィル「?」

ハム 「トレーシングペーパーで絵を写すときって、どうしても下の線を目で追っちゃうんだよ。でも、それだと勉強にならな いし、線画を上げる時とかはやっぱりそういう視点が必要になる。徐々に慣れていけばそれでいい」

フィル「ふぅ〜む……」

ハム 「さすがに他の人の絵を写したものをここに掲載するわけには行かないから、そこは勘弁してもらうとして……とりあえ ず、何枚かやってみ。消しゴムは使わなくていいぞ。綺麗に写すのが目的じゃないから。
     さっき話した線の引き方を忘れないようにな」

フィル「うん」

…………
……

ハム 「できた?」

フィル「できたけど……なんか変。線を上からなぞってるはずなのに、別の絵みたい」

ハム 「そうだろ? 最初はみんなそうだ。気を落とさずどんどんやってみ」

フィル「うぅぅぅぅ〜〜……我慢できない! 消しゴムで消して直しちゃえっ!」

ハム 「あっ、こら!」

ごしごし……

フィル「ひぁぁっ、紙が真っ黒にぃ! しかも綺麗に消えてないしっ」

ハム 「だから消しゴム使うなって言ったのに……消しゴム見てみ」

フィル「うわ、真っ黒」

ハム 「ついでに手も見てみ」

フィル「ひゃあ! こっちも真っ黒!」

ハム 「トレーシングペーパーってこうなるから苦手なんだよな〜。使えるっちゃ使えるんだけど。後で手を洗っておけよ」

フィル「うぅ〜……」


今度は見よう見まねで写すのだ!

ハム 「トレーシングペーパーである程度納得いくまで描いたら、次は見よう見まねで写そう。普通の紙を用意して、その横 に写したい絵を置こう。左右はどっちでもオッケーだ」

フィル「準備完了!」

ハム 「そしたら、それを見ながら写してみる。これも、線の引き方とかを意識してな」

フィル「それはいいんだけど……こんなことで本当に練習になるの?」

ハム 「うん。少なくとも、俺は最初そうやった。
     絵ってな、パターンがあるんだよ。手塚治虫の記号論ってやつだったと思うけど」

フィル「パターン?」

ハム 「そう。絵の描き方のパターン。最近のCG、とくに企業でゲーム用にかかれる物なんかは、パターンが決まってきて 系統と言ってもいいんじゃないかと思うぐらいだ。
     たとえば、目の描き方。あれ、類似したものを集めて分類していけば必ず何種類かに帰着できる。目の描き方は パターン化が顕著だからな」

フィル「ハムちゃんの絵も、パターン?」

ハム 「もちろん。俺の絵なんて、俺オリジナルな部分は全くと言っていいほど無いぞ。ほとんど、他の人の絵から学び取っ たものだ。もちろん、何種類か本を買って、体の描き方の基本とか一応勉強したけどな(あんまり活きてないけど)」

フィル「だから、絵を写せって言うの?」

ハム 「そういうこと。まずは、絵のパターンを体で覚えれば、だんだん自分で色々描けるようになってくる。そのための訓 練だ。
     最初は、一人の人の絵を写してもいいけど、だんだん色々な人の絵を見ていくといい。画風を取り込む、なんて言 ってもいいかもしれない。そうすると、絵のレベルも上がっていくし、自由に描けるようになっていく。
     勘違いしてほしくないのは、パロディ(版権)をやる、ということじゃない。同じキャラを似たように描くのではなく、キ ャラの『描き方』を真似るんだ」

フィル「うぅ、一朝一夕ではできそうも無いね〜」

ハム 「気長にやっていけばいいさ。好きでやっていることだし」


ここまで来たら、後は自由に書くだけ!

ハム 「線の引き方が分かってきたら、あとは好き勝手描く!」

フィル「いい加減ね〜」

ハム 「いい加減って言うか、これ以上言うことは(あんまり)無い。一応、技法的なことはこれから説明していくけど、基本は これだけなんだよ。
     一番大切なのは、思い切り良く描くこと

フィル「結局地道に訓練なのね……」

ハム 「そういうことだ。ところでフィリス」

フィル「ん?」

ハム 「いままで教えたことを使って、もう一度前回と同じ絵を描いてみ」

フィル「ふふふ、そういうと思ってもう描いてあるわよ!」



フィル「どう?」

ハム 「上出来上出来。こんだけ描ければ十分だ」

フィル「でも……あんまり気に入ってないんだよね……」

ハム 「そういう時は、迷わず描き直すといい。その時は、キャラクターや場面ではなくポーズや構図を変えることから考え てみる」

フィル「たとえば?」

ハム 「たとえば、俯瞰にしたりあおりにしたり。あおりで描くのは難しいけど、迫力が出る。ちなみに、俺はほとんど描けな い」

フィル「でも、描き換えるにしてもあんまり他のって思い浮かばないよ?」

ハム 「そういう時こそ、ためらわず他の人の絵を見よう。あとは、とにかく色々描いてみる。たくさん描いてみる。前回掲載 したラフ画、ゼロ(帽子かぶった男のほう)が3人描いてあったろ? あんな感じで、とにかく描いて色々試してみるのが、い い。そして、一番よさそうなのを選べばいいんだ」

フィル「……頭の中でいじってるだけじゃだめなのね」

ハム 「そういうことだ。じゃあ、今回は絵を描くときの工程の説明もかねて、俺が描こう」


絵は3段階の工程がある!

ハム 「(たぶん)一般的に描かれているやり方というのを説明しよう。前回も言ったとおり、今はラフ画を描くことを前提にし てる。でも、ラフ画はそのままじゃCGにはできない(ただし、そういう物もある)。少なくとも、イメージラフの段階はそのまま 使わないし、人にもあまり見せない」

フィル「3段階の工程ってどういうこと?」

ハム 「イメージラフ、ラフ、線画の3段階だ。ただし、ラフを二回描いて4段階にする事もあるし、これが絶対ってわけじゃな い。
     まずは、イメージラフの段階について説明しよう」



ハム 「これがイメージラフの段階だ。とにかく、勢いと大まかな形しか考えてない。イメージラフ(大ラフとも言う)という名前 のとおり、あくまでイメージをつかむ為のものだ」

フィル「これを次はラフ画にするのね」

ハム 「そう。ライトボックスなどを使って上からトレースしてもいいし、これを隣において見ながら一から描き起こしてもいい。 前回やった、絵を隣に置いて写す訓練をしっかりやっておくと、こういう時に役に立つ。今回は一から描き起こした。それが これ」



ハム 「トレースするか描き起こすかは、イメージラフの状態によるな。そのままトレースしてもちゃんと描けそうなら、トレース してしまって構わない。逆に、今回のようにそのまま写すのは難しい場合は、こうやって新しく描く」

フィル「消しゴムで消した後があるね」

ハム 「俺はイメージラフではまず消しゴムを使わないけど、ラフ画の時はちょくちょく消しゴムを使う。あんまり線が多いと、 線画にする時に苦労するんだよ。上の絵は、描いた後少し足が小さかったから大きく描き直した」

フィル「それで、これを線画にするんだね」

ハム 「そういうこと。ライトボックスを使って、丁寧に写そう。勢いを殺さないことが重要だ。はみ出したり、少しぐらい変にな ってもパソコン上で直せるから気にするな」

フィル「それも、シャーペンでやるの?」

ハム 「本来は違う。……この違うも基準なんて無いんだけど。
     普通は(特に漫画を描くときは)ここでつけペンを使ってペン入れと言うのをする」

フィル「つけペン?」

ハム 「ペン軸とペン先を組み合わせて使う、万年筆みたいなペンだ。インクを買ってきて、それを先端につけながら描い ていく」

フィル「どうしてペン軸とペン先って一体型じゃないの?」

ハム 「ペン先って消耗品なんだよ。使ってるうちに磨耗して、ちゃんと線が引けなくなるの。そうすると、新しいのに変えて やらなくちゃいけなくなる」

フィル「う〜ん、つけペンを使ったほうがいいのかな?」

ハム 「どうかな……人によって好みはあると思う。ただ、ペン入れした線画ってすごく綺麗なんだよ。とくに、スキャナで取り 込んだ時に綺麗に線が出る」

フィル「じゃあ、やっぱりつけペン?」

ハム 「俺は、昔つけペン使ってたけど、今はシャーペンでやってる。シャーペンでも、画像処理をうまく使えば綺麗にでき るし。
     それに、つけペンってどうしてもシャーペンとは違うから、慣れるまで時間がかかるんだよ。そうすると、うまく描ける 分シャーペンのほうが綺麗な絵を描けたりする(線の綺麗さではなく絵全体の綺麗さとして)。使いこなせれば、つけペンの 方がいいんだろうけどね」

フィル「ふぃ〜、難しいね」

ハム 「結局好みってことだ。ただ、俺の場合はとある漫画家さんの『カラーで描くときはシャーペンでペン入れします。そう すると線画やわらかくなるんですよ』という一文を見てシャーペンでやるようになったな。
     で、これが線画にした絵」



ハム 「パソコン上で描く部分(目とか)は、写さなくてもいい。ここまでくれば、アナログは完成だ。なお、完成品はギャラリ ーの贈り物のコーナーに飾ってあるから興味のある人は見てみてくれ」

フィル「長いね〜」

ハム 「慣れてくればそうでもないさ」

フィル「じゃあ、次はいよいよパソコンね!」

ハム 「それもいいんだけど、もう少しアナログも話したいしな〜。どっちにするか考えておくよ」

フィル「というわけで、次回に続く〜」
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